神戸市立博物館にボストン美術館所蔵の北斎さんの浮世絵がやってきてました。日本独自の美術作品でありながら、なかなか実物を目にする機会がなく今回里帰り(?)してやってきたので見に行ってきました。
「冨嶽三十六景」「諸国瀧廻り」「百物語」などなど有名どころと秀逸なものばかり。
また、版画ばかりでなく肉筆画の展示もあります。
わくわくしながら音声ガイドのイヤホーンを耳にいれ、いざうす暗がりの中へ。
浮世絵は版木に色をつけて刷るのですが、200年以上も前の作品なのにどれも色鮮やか!!なことに驚きます。さすがボストン美術館の保存です。
お約束の「富嶽三十六景」は、美術の本やらポスターやらで何度も目にしたことはありますが、やはり本物は繊細で迫力があります。大きさはさほど大きくなく、繊細な輪郭線・構図や色使いなどまるで版画とも思われず、筆でかいたような精密さです。
また、「諸国瀧廻り」は、今で言う旅行ガイドブックの目玉となる景色を人々に教えているようにも思えます。旅行などなかなかできない時代だったでしょうから、見た人は行ったような気になったことでしょう。
そのほかにも様々な作品があり、思わず見入って画の世界に入り込み江戸時代の人たちの生活に迷い込んだような気持ちになります。
なによりびっくりしたのが、「組立絵」です。絵を切り抜いて組み立てると立体になるという今でも雑誌の付録にあるものが江戸時代にすでに合ったことに驚き、また残っていたことに驚きです。
猿之助さんのガイドも耳に心地よくわかりやすいものでした。多くの作品に目を凝らし、感心したあっというまのひとときでした。
最後に「凱風快晴」の工程が再現されていて、 再びあっ!版画だったんだと驚くとともに、その繊細な線と色使いに感心しっぱなしでした。
北斎さんの作品には、北斎さんの画才もさることながら、優秀な彫師と刷師がいなくてはならない存在だとつくづく思いました。
平日に行ったのですが、それでも多くの人が来られてました。
機会があれば、もう一度じっくりゆっくり観てみたい。
皆さんもお時間がありましたら、ぜひ一度足を運んでみられてはいかがでしょう。